低圧電気取扱の資格とは? 資格を取得するメリットと方法

低圧電気取扱の資格とは? 資格を取得するメリットと方法

電気工事に携わる人にとってはおなじみの低圧電気取扱の資格ですが、実は自動車整備士とも関係があります。特に今後はこの資格が必要になるケースは増えていくでしょう。低圧電気取扱の資格を取得するメリットと方法についてご紹介します。

低圧電気取扱とはどんな資格?

低圧電気取扱とは、電気の配線や敷設、接続、電気を使用する製品や機械の修理、操作など、感電の危険性がある仕事をする際に必要となる国家資格です。

低圧電気とは対地電圧が50Vを超え、交流で600V以下、直流で750V以下の電圧のことです。一方、これらを超える電気を扱う場合は高圧電気取扱または特別高圧電気取扱の資格を取得することになります。

低圧電気取扱の資格を持っていると有利になる場面

低圧電気取扱の資格を持っていると、家庭やオフィスの電気工事で感電の恐れがあるような業務・操作を行うことができるようになります。

ただし、そもそも電気工事に携わるには電気工事士の資格が必要です。一般住宅や小規模店舗など「一般用電気工作物」の電気工事をするなら第二種電気工事士という資格、工場やビルなど「事業用電気工作物」の電気工事も手がけるには第一種電気工事士という資格を取得しなければなりません。

電気工事士の資格は経済産業省の所管であり、電気工事士法第1条で「電気工事の欠陥による災害の発生の防止」が目的と明記されています。これに対し、低圧電気取扱いの資格は厚生労働省所管であり、労働安全衛生法第1条で「労働者の安全と健康の確保」が目的とされています。

また事業者は、労働者を危険または有害な業務に就かせるときには「特別教育」を行うよう事業者に求めています。

これを低圧電気取扱の場合に当てはめると、(1)充電電路の敷設もしくは修理の業務、(2)充電部分が露出している開閉器の操作の業務のいずれかを行うとき、事業者が感電の恐れがあると判断した場合には、特別教育の修得が必要とされています。この特別教育を習得すると、低圧電気取扱の資格を得ることができます。

自動車整備士が低圧電気取扱を取得するメリット

では、自動車整備士が低圧電気取扱を取得するメリットはどこにあるのでしょうか。

実は、ハイブリッドカーや電気自動車において、(これまでの自動車と比べると)高圧な電気箇所の点検・整備する際に低圧電気取扱の資格が必要になります。ハイブリッドカーのほとんどが、動力源に低圧電気取扱で定められている50V~750Vの直流低圧電気回路を有しています。この低圧電気回路を扱うには、低圧電気取扱の資格を取得していなければならないわけです。

低圧電気取扱の資格取得方法

低圧電気取扱の資格は低圧電気取扱業務特別教育を修了すれば取得できます。

講習内容は学科が7時間で、低圧の電気、低圧の電気設備、低圧用の安全作業用具に関する基礎知識、低圧の活線作業および活線近接作業の方法、関係法令などを学びます。さらに実技が7時間あり、ここでも低圧の活線作業および活線近接作業の方法を学びます。

教育が受けられる教習センターは全国各地にあります。講習修了時には労働安全衛生法で定める「低圧電気特別教育修了者」の修了証明がもらえます。

今後、自動車整備士がハイブリッドカーや電気自動車を整備する機会はますます増えていくでしょう。その際、低圧電気取扱の資格が必要になることを覚えておいてください。

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