1級自動車整備士の難易度はどれくらい? 合格率と受験資格

1級自動車整備士の難易度はどれくらい? 合格率と受験資格

自動車整備士の中でも次世代の自動車業界を担う存在と言われる1級自動車整備士。この資格を取得するにはどのような方法があり、また難易度はどのくらいなのでしょうか。1級自動車整備士の合格率、受験資格などについて解説します。

1級自動車整備士とは

1級自動車整備士は、国家資格である自動車整備士の中で最上級の資格です。

現在、整備士として仕事を行う上では、2級自動車整備士の資格を持っていれば分解・整備・修理を含めた自動車に関わる一般的な整備全般に携わることができます。しかし、1級自動車整備士を取得すれば、さらにハイレベルな整備士としての役割を果たすことが可能となります。

まず、現場においては豊富な知識と技術経験があるため、ほかの整備士・工員のアドバイザーとなって、指導する立場になります。
また自動車にまつわる環境保全や安全管理について高い意識を持ち、ユーザーに対して整備技術のコンサルティングを含めた、啓蒙活動を任されることもあります。このほか、自動車の仕組みの変化に応じて、最新の電子制御技術やハイブリッド車、電気自動車の故障診断に精通していることも求められます。会社によっては、この資格を持っていることで資格手当が付くことがあります。

なお、1級自動車整備士には「1級大型自動車整備士」「1級小型自動車整備士」「1級二輪自動車整備士」の3種類がありますが、平成28年度現在まで1級大型自動車整備士と、1級二輪自動車整備士の資格取得(国家試験)は行われていません。よって現状、1級自動車整備士の資格と言えば1級小型自動車整備士のみを指すのが通例となっています。

1級自動車整備士の試験内容

1級自動車整備士の試験では、学科試験と実技試験が行われます。このうち学科試験は一次試験で筆記試験、二次試験で口述試験が実施されます。

学科試験では、2級自動車整備士の知識・技能に加えて、低公害車、電子技術などの新技術に関係する故障診断手法や、リサイクルを考慮した整備手法、整備に係る環境保全・安全管理等の知識といった、最新かつ総合的な分野の問題が出題されます。

実技試験では基本工作、点検・分解・組み立て・調整及び完成検査、修理、整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い、といった一般的なものです。

1級自動車整備士の合格率

一般財団法人日本自動車整備振興会連合会が行なう「自動車整備技能登録試験」の結果を見ると、平成23年~27年の1級小型自動車の合格率は以下のとおりです。

筆記試験の合格率は、最低で31.6%(平成26年度)、最高で43.2%(平成25年度)となり、やや高い難易度を示しています。
口述試験の合格率は96.0%(平成26年度)から99.1%(平成24年度)となり、こちらは多くの受験者にとって問題ないレベルです。
実技試験の合格率は27.1%(平成27年度)から94.8 %(平成26年度)となっており、開催年度によって合格率が大きく変動しています。

1級自動車整備士の受験資格

1級自動車整備士の試験を受けるには、2級自動車整備士(2級自動車シャシ整備士を除く)を取得後、整備士として3年以上の実務経験があることが条件となります。ただし、自動車整備士の養成施設(1級整備士養成課程)を卒業していれば、卒業と同時に受験資格が得られます。

また、整備の実務経験のない者を対象にした一種養成施設で、1級整備士養成課程を修了した人は、実技試験を免除されます。

1級自動車整備士は難関と言える資格のひとつですが、4年制(または5年制)一種養成施設の「1級整備士コース」などを履修して卒業すれば、1級自動車整備士の受験資格が得られ、実技試験も免除されます。最短でこの資格を取得することを目指す人は、参考にしてみてください。

参考URL:
日本自動車整備振興会連合会「自動車整備技能登録試験結果」(各年度の項目を参照)

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