車のエンジンにはどんな種類がある? 分類のしかた

車のエンジンにはどんな種類がある? 分類のしかた

燃料と空気を機関内で混合し、爆発(燃焼)させることで駆動力、推進力を得るのが、エンジンの基本原理です。車の心臓部といわれるエンジンにはどのような種類があるのでしょうか。エンジンの種類についての基本的知識をまとめます。

車で使われる燃料の違い

車のエンジンはまず、燃料の違いによって分類できます。代表的なものには次の3種類があります。

ガソリンエンジン

燃料にガソリンを用いるエンジンです。点火プラグを使って着火、爆発で得たエネルギーを動力へ変換します。ガソリンエンジンは振動や騒音が少なく、高回転まで安定した出力を得られるのが特徴です。比較的小さく軽量な設計が可能で、製造コストが安いというメリットもあり、乗用車によく採用されています。

ディーゼルエンジン

燃料に軽油を用いるエンジンです。点火プラグは使わず空気を圧縮して高温状態を作り、シリンダー内へ噴射して自然発火させます。熱効率が良く、燃費性能が高いのが特徴で、燃料費を抑えることができます。高回転が苦手で加速性能には難があるものの、低速トルクは高く坂道などでパワフルな走りができるため、トラックやバスなどの商業車向きとされます。

ハイブリッドエンジン

動力としてエンジンとモーターの2つを使用するのがハイブリッドエンジンです。ハイブリッドのシステムは、エンジン主体とするもの、モーター主体とするもの、両方を状況により使い分けるものに分けられます。たとえばエンジン主体のシステムでは、モーターは直接車を動かすわけではなく、エンジンの効率的な駆動をアシストし、余剰エネルギーを回収する役割を担います。

ガソリンエンジンのメカニズムの違い

ガソリンエンジンはさらに内燃機関の違いにより種類が分かれます。
ガソリンエンジンの中でも最も多く採用されている方式は、レシプロエンジンです。これに対し、異なるアプローチで開発されたのがロータリーエンジンです。それぞれの特徴を見てみましょう。

レシプロエンジン

シリンダー内での爆発によって得られた熱エネルギーをピストンの上下運動として取り出し、クランクシャフトを介して回転運動に変換することで駆動するタイプのエンジンです。ピストン運動が基本になっているエンジン、と思えばわかりやすいでしょう。古くは船舶、鉄道車両、航空機にも組み込まれていました。自動車では現在も最もポピュラーなエンジンで、ガソリンエンジンでもディーゼルエンジンでも使用されています。

ロータリーエンジン

レシプロエンジンとは異なり、ガソリンが爆発することによっておにぎり型のローターを回転させ、歯車を介してエキセントリックシャフトと呼ばれるシャフトを回転して駆動するエンジンです。こちらはローターの回転運動が基本となるエンジンといえます。ローターが回転する際に吸気、圧縮、燃焼、排気というエンジンに必要な工程が繰り返されます。なお、ロータリーエンジンとディーゼルエンジンとの組み合わせはほとんど存在しません。

ロータリーエンジンを発明したのはドイツの技術者、フェリクス・バンケルです。その後、日本の東洋工業(現在のマツダ)が自動車用エンジンとして量産化に成功しました。ロータリーエンジンの長所は軽量コンパクト、低振動・低騒音、高出力、独特の走りの気持ちよさがあることです。反面、燃費が悪く、低速トルクは不足ぎみという短所もあります。マツダ以外にはほとんどの自動車メーカーが採用していません。

このほか、最近ではガソリンや軽油を使用せず水素を使用するレシプロエンジンやロータリーエンジンも開発されています。近い将来、また新たなテクノロジーによる画期的な種類のエンジンが生まれてくることが期待されています。

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